笑う約束 熊本

まさかの2年半越しのレポ、というか感想文。

 

素晴らしき日常、明日はきっといい日になるについて書いたらなんだかこのライブについて振り返りたくなった。初めて参戦した優くんのライブ。大袈裟でなく人生の転機となった日。

 

前々から書きたかったもののセトリが分からず、セトリサイトにも載っていなくて諦めていたのをこの度見つけたので、とんでもなく今更だけど記すことにする。勿論思い出せないことが多いので、覚えている範囲でその時感じたことを。

 

 

 

2015.11.29 (日) 熊本県立劇場演劇ホール

 

記念すべき初高橋優ライブの座席は、中1階みたいな位置の左端。列でいうと15列目くらいだったのだけど、とても近く感じた。ライブそのものが3年ぶりくらいだったし、これから何が起きるのか得体のしれないといった妙なソワソワ感の中、開演。

 

 

~今を駆け抜けて~

射抜かれた。

衝撃の初めましてだった。

 

どんなライブか分からない、どんな人かも分からない、開演前少しよそ者だった私の心は瞬く間にその渦中へ引きずり込まれた。胸が高鳴るかっこいいバンドサウンド、しかしそれよりも圧倒的に前面に発せられ届いてくるその声。なんならちょっと音割れしていたような気もする。友人から「声量凄いよー」との前情報を頂いていたし、元々その予感はしていたのだけど、予想を遥かに凌ぐ凄まじいエネルギーに一瞬で惹きつけられた。

 

~(Where's) THE SILENT MAJORITY ? ~

CDではなんとなく聞き流していた曲。好きでも嫌いでもないって感じだったけど、ライブならではのパワーに自然と手拍子をしていた。

 

~陽はまた昇る~

歌詞が好きでわりとリピートしていた曲。孤独・競争・暗闇・葛藤...そういったものがヒリヒリと伝わってくるような重めのサウンドとライティングの雰囲気に思わず泣きそうになったのを覚えている。

 

~パイオニア

~ミラー~

ここらへんはさすがにもう思い出せない...。ただ確かパイオニアのとき照明が明るかったのもあって、高橋優ってすごく客席を見る人...しかも一対一で目を合わせながら唄っているような感じに驚いた気がする。 

 

~頭ん中そればっかり~

まだキャラをよく知らなかったからCD聴いてこんな曲も唄うんだぁくらいに思っていたら、唄いながら笑顔で何かを揉みしだくわ腰振るわで、一瞬でイメージを覆された。え、高橋優ってこんな人なの?........好きかも←

しばらくライブで聴いていないのでまたセトリに入れてほしいな。

 

~現実という名の怪物と戦う者たち~

個人的にライブで印象が変わった曲。良い曲だけどわりとクサいと思っていたから。もちろん言葉のひとつひとつも素敵なんだけど、ライブだとそことは別にただ音に身を委ねて楽しむこともできるなと感じた。

 

誰がために鐘は鳴る

~旅人~

ここらへんでも目が潤んだ気がする。 元々バラード系の曲はそんなに好きじゃないのだけど、こういった曲はより歌唱力が際立つなぁと思う。単に歌がうまいってだけじゃなく、ライブだからこその”届ける力”というか差し迫ってくる強さがあるように感じた。普段聞かない曲でもなんなら知らない曲でも、心の奥まで響かせる高橋優のライブの魔力とでも言うべきか。

 

~花のように~

~同じ空の下~

お決まりのC&Rがある曲って場合によってはそれを知ってるファンと新参者で温度差が生じたりすると思うけど、優くんの曲はレスポンスの言葉も単純で分かりやすいものが多いから、初めての人でもなんとな~くで言えちゃっていいなと思う。

 

~靴紐 (弾き語り)~

~こどものうた (弾き語り)~

路上時代にこの曲をやると怪訝な顔されたり怒られたりしたって話をしてから曲へ。デビュー当時聴いたときは単に尖った風刺曲って印象しか持てなくて好きにはならなかった。ただこの日初めて生で聴いてライブならではのテンポ、荒っぽさ、熱量にくぎ付けにされた。優くんはどの曲もCDよりライブで聴くほうが魅力的なんだけど、この曲はまさにその最たる例だと思う。この曲をいきなり弾き語りで聴けたのは幸運だったかもしれない。

 

~駱駝 (弾き語り)~

歌詞に反する優しいメロディと穏やかな表情。もう少し刺すような唄い方だったり表情なのかと思っていたから意外だった。社会への疑念や怒りに拳を振るうのではなく、そんな現状に対し自分はどうするか、どこか俯瞰していて決して闇雲に攻撃しない、あくまで自分自身に目を向けるところ。凄く”らしさ”が詰まった曲と唄い方なのかもなと思う。

 

~未だ見ぬ星座~

星空を模した演出とそれに負けない伸びやかで心のこもった唄声に感動。

 

~おかえり~

泣いた。心の奥にじんわり染み入るサンドアートの映像と優くんの優しい声。前述したとおりバラードじっくり聞けるタイプじゃないからCDでもほとんどリピートしてなくて、この曲がこんなに入ってくるとは思ってもいなかったし、ましてや泣くなんて完全に想定外。自分に重ねて涙...とかじゃなくただただその演出と唄声に思いがけず涙したというのは今でも稀有な経験。

 

~BE RIGHT~

~太陽と花~

「ここまで数曲座って聞いていただきましたが、ここからまた立って叫んでくれますかー!!」みたいなMCの後の曲たち。細かいことは覚えていないけど、この緩急にいい意味で感情をめちゃめちゃに掻きまわされた。 

 

オモクリ監督

映像が印象的だった。歌詞に合わせてサザエさんをパロったような。歌詞を響かせ、音は激しく、映像はユーモラス。OhOhOhOh~OhOhOh~とかもよく把握してなかったけどノリで言った(笑)よく分かってなくても一緒に言いたくなっちゃう、なんとなく言えちゃう。言葉で泣かせるかと思いきや、ゴリゴリのロックサウンドに否応なく体を揺らされ、MC含むユーモアにふと笑みがこぼれたり、メリハリがとんでもないアーティストなのだと思い知らされた。

 

素晴らしき日常~

高橋優との出会いの曲。”今、生で聴いている”という事実がなんだか現実味なくて不思議な気持ちでステージを見ていた。5年前にこの曲に出会い、この曲で高橋優に出会い、時を経て今こうして目の前で聴いている...出会いって不思議だなぁ、人生って面白いなぁなんてことを考えていた。

 

~泣ぐ子はいねが~

突然大きな眼鏡なまはげ出てくるし、矢継ぎ早に熊本の名物を叫ばれともに叫び、はちゃめちゃに楽しかった。ステージの端まで来てくれたから、けっこう近かったんだよな...。ライブなんて歌い手は遠くにいて表情はよく見えないみたいなのが当たり前だと思っていたから、「わ!なんか顔がちゃんとわかる!近い!」って超初心者的感想を抱いた。そういえばこの曲でタオル回したのってこの公演が最初だったとか。

 

~明日はきっといい日になる~

この1年何回聴き、力をもらったか。後方スクリーンにうつるブルーの背景と手書き風の歌詞が爽やかで優しかった印象。この曲が持つパワーはまた特別なのかもしれない。

 

Enc.

~リーマンズロック~

友人に薦められて聴いていた曲。CDで聴いた時は歌詞がいいなくらいだったけど、この日ライブで唄い始めた瞬間に泣いた。就職してまもなく1年。できることが少しずつ増えてきた一方でできないことにより目が向くようになり、人間関係築くのが下手な自分はどうでもいいとこでビクビクして、そういったことが一気に溢れてきた。そして溢れるそれを許してくれるように思えた。そのうえで日常を生きる力を再度与えてくれる。こんなに素敵な瞬間に巡り合えるのならまた頑張ろう、たいしたことない何もかも順風満帆、本気でそう思えた。

 

~微笑みのリズム~

これも今思うと生で聴けたのはけっこうラッキーだったのかも。曲自体は知らなくてこの日初めて聴いたのだけど、1回で好きになった。全体的に軽快なメロディーなんだけど、2番の歌詞が胸に響いた。

 

~福笑い~

最後のサビでマイクごと客席に向けて丸っと歌わせることに驚いた。これも出会った当時に聞いていたけど、「現実~」同様、いい歌だけどクサいなーと思ってそれきりだったから、初めて生で聴いてこの曲の持つ安心感、みんなで唄う一体感に心を奪われた。

 

 

全てが終わり、バンドメンバーとともに深く長いお辞儀。SEの「明日は~」が流れ始めると唄い出す観客。ステージ下手、上手の端まで行き、地声で「ありがとうございました!」と叫ぶ優くん。”地声じゃ届かない”ではなく、”地声で届けたい”その姿に感動した。サビになるとマイクを取って唄ってくれた。最後の最後まで全力、優くんもお客さんもエネルギーに満ちていてどこまでも幸せな空間だった。こうして初高橋優ライブはこの上ない最高の一夜として胸に深く刻まれることとなった。

 

 

振り返ると初めてのこのライブがその後のライブ含め今のところ1番涙腺を刺激され、実際に1番泣いた気がする。好きな曲くらいしか知らないで行ったからこそ、全てが初めてで新鮮でまっすぐピュアに飛び込んできたのだと思う。自分の好みにハマったというのはあるけど、初めてのライブで心をつかんで離さないその力量はただただ凄い。おかげさまでその後の人生が彩り豊かになっています。感謝。